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RIDEBACK-ライドバック- 第7話『罪と×(バツ)』

第7話『罪と×(バツ)』


露骨に圧政的、恐怖政治的な体制作りを着々と進める中で生活した事など年齢的に自分の親の世代でさえも全く経験していないですから、あくまでも戦前戦中の海外や国内の史実を扱った本などを随分読んだ時期に感じた自分なりの感覚でしかなく、アテにはならないかもですが…この作品は、その当時確かに存在した滲み寄ってくる不穏な空気感のようなものが凄くよく出てる気がします…はい。

先週も少し書いたんですが、もはや裏では確実に人民ではなく支配者を保護するために警察が利用され、残虐行為や市民への監視、拷問、暗殺なども平気で行う非常にヤバイ空気が充満し、増し始めてます。
それでも、一般市民の大半は何となく世の中が危ない方向へ変わりつつある事をどこかで感じながらも大抵は何ら具体的な行動に出るでもなく、一部の人々の懸念の声を聞き流している……。

そして、おそらく自分がはっきり気付いた時にはもぅ手遅れで…その時には完全に声を上げることさえ叶わない強権的な体制が整った後で、少しでも反発的な態度をとろうものなら容赦なく殺されるか収容所送りになる…。
この作品の現状はまさに、そんな手遅れになる一歩手前の状況のようです…。

そして、そういう世界観を一定の視点からではなく、様々な視点から少しづつ描いてくれているゆえに、全体的な作品の空気は冒頭の琳の周辺だけを切り取ると劇的に変わっているんですが…実は初めから現実は間違いなく危険な世界に住んでいて、一定の速度で変化し続けていた事に気付かせて貰えます。

しかも、それをそれぞれの立場に応じた速度で気付いていく事になりそうで…それが、よりリアルな感じにさせてくれています。


  • 例えば琳の場合、軍事的価値のあるライドバックを操る才能と天性の魅力のようなものがあったゆえに、自分自身では自覚のないままに大胆な行動をとり目立ってしまい体制側(GGP)に目を付けられ……裏で確実に進行しつつあった恐怖政治的現実に大半の人たちよりも一足先に…厳しい仕方で直面する事になった…。

    一方で、琳がいなくなった不安を感じながらも具体的な危機感を感じきれてはいないライドバック部の面々は、状況が分からない事からくる漠然とした言い様のない不安を感じつつ未だ日常を過ごしている…。

    さらには、かつて傭兵として、おそらくGGPの現実を目の当たりにし…最も社会の変化を汲み取り危機感を感じとれる立場にいたはずの岡倉の視点…。

    そして、度々出てくるメディアの動きを通して、全く当てにならない世論全体の流動的な考え方や、GGPの報道への介入度の程度までをも巧みに見せています。

    ですから…そのいずれの立場も今後どんなふうに、さらに変化していくのか興味が沸いてきて見応えが増してると思うんですよねぇ…。


さて、いつもよりかなり全体的な感想の前置きが長くなりましたが、ここらは特に個人的に書きたい人たちに分けての感想です^^;

■琳
今週の琳は、突きつけられたあまりに過酷な状況に、ただただ当惑し現実を受けとめ切れない様子です。
でもこれは、今週の時点では仕方ないですよね…。
幾ら琳が今まで見せてきたように剛毅な性格で、物事に怯む事無く立ち向かえる精神力を持ちえた女性だとしても…さすがに、まだ未成年のごく普通の暮らしをしてきた女性なわけですから…。


それが突然、弟が酷い拷問を受ける姿を見せられ…おまけに自分の存在を利用して弟に脅しをかけGGPの行った殺人の罪の自白を強要され目の前から連れ去られた…。
しかも、自らも先の見えない法的に公正な扱いを受ける事など全く期待できない状態で、何やらGGPの施設に送られそうになっている…。
おまけに、ただ初めは爽快感と高揚感を求めて操っていたライドバックで見ず知らずの人間を自らの手で傷つけてしまったという自責の念…。



これだけの事が一度に突きつけられれば…当惑し、まともに眠れなくなり現実を受け止められず、ひたすら全てから逃げ出したくなるのも仕方ないよ…。


  • そういう琳の胸のうちの動きというか苦しむ様が理解できるだけに…そして今までの琳のあの輝く姿を見てきただけに今週のやつれきった、精気の全く無くなったあの目を見ているのは辛い…。

    お祖母さんの声も耳には届いても、殆ど心が処理しきれない…理解できていないかのような姿でしたしね…。

    それに、今まで戸惑いや、不安はあっても明らかに逃避したり、怯えきった姿などを見せなかった琳だけに、怯えきった琳の丸めた背中が痛々しくて…(ノ_-。)


しかも『あなたに選択の余地はない…』と言われたGGPにあのまま施設に連れ去られたのと…移送中にBMAに連れ去られたのと、果たして琳にとってどちらが、まだマシだったのかも見えないですからねぇ…。


GGPは勿論怖いですが、BMAもねぇ…琳を連れ去った様子を見ても容赦なく人を殺すテロ集団である事に違いないわけで……。

琳自身はキーファの顔を見てどこか安心したかのような変化を見せた様に見えましたが…もしキーファ自体が仮に正しい理想をもつような人物だったとしても、先々週は琳と岡倉両名の写真を並べてその『才能』に注目してただけに、おそらく琳を活用したいとの思惑はあるだろう事が予想できるだけに、どちらに連れて行かれても見ているほうとしては不安なのは変わらないという……。

琳のあの自らの意志が強く宿った、強烈な視線が…自分自身のしっかりした選択の元で出る…そんな姿を再び見たいですが…今のところ双方の思惑に翻弄され身を委ねるしかない動きになってきているだけに凄く心配です……。

ところで、母親の存在が予想以上に琳の中で大きいんだなぁって事も、今回感じたなぁ…あの状況下で『お母さんだったらどうしてた?ねぇ、踊ってばかりいないで答えてよ』って心の問いかけが出てくるとは…そういや、EDの最後も母親の振り向きざまの笑顔という印象的な絵だし…琳が今後何か心境面での成長や転換をする上での描写の際には大きな鍵を握るのだろうか…。



■岡倉
今回ようやく長い長い沈黙を破って遂に動き出そうとした岡倉…。
あの『ゴブリン』というのはいわゆる、コードネームのようなものでしょうかね…自身を見張っていた公安をあっさりと片付けて、かつての上官ロマノフに対する宣戦布告とも取れる伝言まで放って実力の多分ほんの一端を見せてはいましたが…。


ただねぇ…個人的には見ていて少し時機を逸してしまったのではないか…しばらく戦場から離れていたために多少状況判断を見誤ったのではないかという感が拭えなかったですね…(汗)

彼自身はかつて「GGPを甘く見るな」と言ってはいましたが…。
GGPが一度目をつけ監視下においていた琳を、例え琳自身が巻き込まれるような行動に出なかったとしても、いずれはどんな手を使ってでも利用しようとしていたでしょうからね…琳たちに何も語らず、フェーゴをただ隠しただけで、身を潜め様子を見ようとしたのは、『琳を守る』方法としてはどう考えても甘かったなぁ…と思う。

それに琳を救出するために動くのかと思っていましたが…結局BMAに一足先に動かれてしまった上『テロリストまでがなぜライドバック少女に拘る…』と言ったり『そうか尾形は俺を呼ぶためのスケープゴート(いけにえ)か…』と言ってましたが…これも、かなり琳の評価に対する判断が甘いのではないだろうか…。

だって、単なる素人目に自分がちょっと考えても琳の存在は単なる戦闘要員としてだけでなくジャンヌダルク的な旗印的役割もこなせそうで…利用価値がテロ側にも十分あるだろう事が予想できる気がするんですが…^^;
GGP側としても使いようは先週も書いたように幾らでもあるだろうし…。

勿論、BMAは岡倉の経験なども利用したいんでしょうが…琳単独の存在価値を岡倉は多少見誤っていたのではないか、そのために後手に回ってしまったんじゃないだろうか…と、思わずにはいられないです。

とにかく、岡倉がかつてどれだけ英雄的な働きをした実力があるとしても、GGPは世界を支配しようかというような巨大な敵である上に…容赦のない手段を何のためらいもなく平気で選びそうな酷薄な面々というか…笑顔が不気味な人たちが揃ってるだけに前途は多難だな(苦笑)


もちろん、ロマノフ大佐が『英雄ゴブリンはもぅ死んだんだよ』と言うように、かつての輝きを見せる事無く、岡倉までもが無力なまま翻弄されるのでは…琳の未来は開かれないだろうし、そうならないよう期待はしたいですが……。

ところで、執拗に岡倉の動向が気になっていた珠代が自分を尾けている事を承知の上でフェーゴの隠し場所まで結果的に案内し…そのフェーゴのキーを珠代に託して『後のことは頼む』と語った岡倉は珠代にあの後、どう行動して欲しいと望んでの行動なんだろうか…。


そして託された珠代がどんな行動に出るのか、GGPに反発を当初から抱いている事を垣間見せてる兄の動向と共にその動きも楽しみです。



■その他

不安を隠しきれない様子のライドバック部の他の面々は、実情を正確には掴めていない為に、危機感の程度に温度差があり…ただただ何も分からない事からくる不安を抱えて琳を待っている…でも、何も出来ない無力な現状なので…努めて日常を過ごそうとする様子がよく出てましたね^^;
そういう描写が又、琳の置かれた状況との差を浮き彫りにして、より琳側の自体の深刻さを際立たせている感じでした。

ところで琳が大変なのに、しょう子と菱田の距離が急速に縮まり二人きりで出かけるまでになってるんですけど…^^;

あとは、報道機関の様子ですが今回の報道を聞く限りは、今のところ局によって多少の違いがあるようには感じるものの…完全な報道統制というよりは、多少の規制と情報操作が行われるている段階でしょうか…。
ただ、容易に変化しそうな気配は濃厚に伝わってきていて、懸念を表明する人の口がどんな形で封じられるのか…さらには簡単に乗せられてしまう世論が今後どう動くのか…当てにならないメディアの変化の様子と共に関心があります^^;

さて、BMAに攫われた琳、その琳の元に拉致されていく岡倉とその動きを完全に補足しあとを尾けているGGP…来週はどうなるんだ!!!

うーん、やっぱり続きが気になる1週間が待ち遠しいという点では個人的には今期一番です。


8話の感想はここ


6話の感想はここ


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コメント
 いや、むしろ歴史を知っていると、正直言ってこのアニメ版ライドバックの圧政状況は「?」と思えるのですよ。  6話を見た後に疑問に思って、原作を一巻から四巻まで見たのですが、余計にアニメ版の不自然さが目について。  そういう恐怖政治、ファシズム的状況というのは、政情不安や大不況、強力な敵対勢力などがあっておこるもの。  戦前のファシズム勢力台頭は大恐慌ありきですし、大戦後の赤狩りもソ連の脅威があってのもの。  原作だと、ネタバレにならない程度に説明しますが、近未来と言いつつ実質1950〜60年代ぐらいの日本のような状況で(作中世界での説明は、日本の大震災と国外の大戦のため)、過激な学生運動やデモも頻発している不穏な社会が描かれています。  ところが、アニメ版ライドバックは、良くも悪くも大きな波乱が無く安定した現在の日本みたいな状況。相対的な問題ですが、原作のモチーフらしき60年安保や70年安保の時代と比べると、遥かに平和。  いくらなんでも、テロが頻発してたり、外国に占領統治状態だったりで、この平穏さはちょっとありえないだろうと。また逆に平穏な社会状況なので、GGPの暴虐やBMAのテロなどがものすごく浮いている。  このアニメ、人物や社会、出来事などの描写力がものすごく高いのは間違いないです。  しかしそのためにかえって、原作の過激な学生運動やデモ(大学内も、半ば暴力団みたいな学生運動家が割拠している)といった要素を排除した不自然さが、余計に際だっているように見えます。
| ut_ken | 2009/02/23 7:17 PM |
 まさにGGPみたいに、表では平和的な態度を取りつつ、裏では社会の中枢を次々押さえていき、反対勢力には穏健派・過激は問わずにテロリストのレッテルを貼り、いつのまにかファシズム的体勢を支配しているという的の恐ろしさを描いた傑作作品としては、80年代のSFテレビドラマ『V』があります。  昨年『V』をDVDで見返したのですが、最初からそういう物語としてくくられている『V』や、逆にものすごく社会が不穏で体制側も反体制側も過激という世界の原作ライドバックと比べると、アニメライドバックは、かなり上手く再構成はされているのですけど、やはり原作を生かしつつ政治的要素の多くを削除した大きな不自然さが目についてしまいます。
| ut_ken | 2009/02/23 7:28 PM |
 長々失礼  考えてみると、「ライドバック」の「?」と思えるところは、弟は自分から犯罪に関わっての半ば自業自得、琳もそのバカ弟のために人を傷つけたと思うと、素直に「GGPは裏で圧政をすすめる悪」と物語に感情移入できないのです。  例に挙げた『V』だと、主人公たちは世間的にも正しい行為をして(普通に研究をしている、友好を装っている敵の怪しいところを調べる、行方不明者の消息を追おうなど)、敵にテロリスト扱いされる。  原作だと、体制側も反体制側もどっちもどっちという描き方が強いので、琳や弟の描き方も筋が通っていたのですが。
| ut_ken | 2009/02/23 8:51 PM |
・GGPはまさに、力で犯罪を抑え込もうとするアロウズ(機動戦士ガンダム00)と同じに見える。弟堅司を助けるためにとはいえ、犯罪人として収容されるはめとなってしまった琳。こうなると、もう彼女は戦いの世界に引き込まれているように感じる。ライドバックに乗って彼女はなにと戦うのか楽しみに思えるが、フェーゴは潰されていなく、それに乗りGGPと戦う事は確実。
| オラクル | 2009/02/24 1:49 AM |
ut_kenさんコメントありがとうございます! 長文コメント、興味深く読ませて頂きました。 恐怖政治が起こりうる状況にしては政情不安や大不況の様子が描かれておらず不自然ではないか…というのは言われてみれば、説得力がありますね。 私としては、1話で革命が既になされ…世界支配にある程度乗り出しているために、おそらく革命前にそういう政情不安があったのではないかと漠然と考えていたんですが…例えそうだとしても、平穏すぎる気はしますね^^; まぁ現在の日本人の無関心、弱い者に対してはよってたかって叩こうとする傾向からすると…どんな政情になろうと、学生運動のような気運は再び起こりそうにはない気もするんですが…これも実際の学生運動時代の話は知らないだけでなく、戦前戦中を扱ったものは結構読んではいても、1950〜60年代を扱った作品は小説も映画も殆ど見ていないので全く知らないといってもいい状態で…ホントのところは全く分からないんですが(汗) それから…琳たちに感情移入できないというご意見は、おそらく人によってはそう感じるでしょうね^^; これも仰るとおり、正当性という点は弱いですもんね…。 ただ個人的には、それでもこの作品は楽しめてて、私としては琳の味方を最後までしたい気持ちですが(笑)
| テク(管理人) | 2009/02/25 6:04 PM |
オラクルさんコメントありがとうございます! GGPとアロウズの類似点は確かにありますよね!実際問題、自分勝手な利益を優先する国々を一つのまとめて世界を支配しようとすると、どうしても力や恐怖による支配が必要なのかもしれませんね(苦笑) もちろん、受け入れたくありませんが…。 そして確かに琳がフェーゴに乗って戦うのはもぅ避けられませんね…。
| テク(管理人) | 2009/02/25 6:07 PM |
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返信とか近況とか一言感想

アニメの方は、毎期視聴本数が減っています。。。

yutanpoさんへの拍手コメ返信
自分ではいつも「あーもっと上手く伝えられたら…」と思いながら書いているのですが、褒めて頂いてありがとうございます。
確かに、指の組み方は左親指が上、腕の組み方は右腕が上です(゚□゚;)!
「CLAYMORE」アニメの方は分からないですが、数年前に友人宅で何冊か読んで、その時「面白そうかも」と思ったのにそのまま放置していました。完結したんですね、近いうちに購入して読んでみます。

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